医業経営の視点からみて

医療材料マネジメント

第10回-3 単回医療機器再製造推進協議会共催座談会 前編(その3)再製造単回使用医療機器

単回医療機器再製造推進協議会共催座談会

前編(その3)

上塚:次は、私から再製造単回使用医療機器についてお話をさせていただきます。

単回使用医療機器というのは、釈迦に説法ですけれども、ここに書いてございますように『一回限り使用できることとされている医療機器』ということで、添付文書に再使用禁止と記載されているわけです。これらはメーカーが添付文書に記載するということでありまして、必ずしも厚生労働省がそれを規定しているというわけではありません。

次に、このR-SUDと我々は略しておりますが、単回使用医療機器の再製造品のことですが、メリットの一つはスライドの中央にある『ゴミの量を減らす』ことです。
現在、国連の提唱しているSDGsがあり、松本会長もSDGsのバッジをしておられますが、このことが追い風となっています。
日本では、医療廃棄物は焼却されておりますが、二酸化炭素が排出され、環境汚染になります。アメリカでは土の中に埋めているので、これは土壌汚染の問題になるということがあります。
それから、図の一番右で経済効果ですが、これはホギメディカルさんが試算したという試みのデータですけれども、ここに書いてありますように、単回使用医療機器の中でR-SUDに向いている製品が約1,400億円ぐらいであろうと考えられております。
その次のスライドに移ります。

再製造医療機器の諸外国の歩みですが、米国で一番早く導入されてきています。米国でも日本と同じように、西暦2000年以前は病院の中で滅菌再使用が普通に行われていたということがありました。ところが、FDAが動く前にGAOという政府監査院が、ここに書いてありますように、安全への警鐘というのを表明しまして、それを受けてFDAが再製造のガイダンスを整備し、専門の製造業者が再製造を行うべきであろうということになりました。

そして、2001年に再製造SUDの医療機器承認を義務化し、2008年になりますと、スライドの右上のとおり再び政府監査院は、再製造品はオリジナル品に比較して、安全性は同等であると報告しました。それを受け2010年にストライカー社、2011年にジョンソン・エンド・ジョンソン社が再製造業界に参入しました。

下の段は欧州ですが、これも武藤先生が研究班をつくりまして、欧州を見学されまして色々調べてこられたわけですが、アメリカよりも2年ぐらい遅れていますが、2002年から病院と契約したクローズドモデルという形で再製造が始まっておりまして、こちらはロベルト・コッホ・インスティテュートの基準ということで、必ずしも再製造ということだけではないのですが、医療機器の滅菌という基準に合わせて再製造も捉えています。
バンガードという会社がドイツにはあり、再製造が盛んに行われるようになりました。2017年、これ以降は欧州の中で広がって行ったわけです。

どのような製品が再製造品に適しているか。どのような医療機器でも再製造できるかというと、当然そうではありません。図にお示ししましたように、上段が体内で使うリスクが高い製品ですね。例えば左は心臓のEPカテーテルです。これは日本でもアブレーション、心房細動の治療が盛んになり、よく使われるカテーテルです。

それから、右の方にいきますと、これはまだ日本では再製造されていませんが、シーリングデバイスといって凝固と結紮を同時にできる腹腔鏡下の手術に非常に便利な機械で、これがアメリカやドイツではR-SUDの主力製品となっていいます。

下段は、体外で使うリスクの低い医療機器、左に示したものが、深部静脈血栓予防用コンプレッションスリーブ、連続して心電図記録するときのリード等、色々な医療機器が再製造されております。

これらは、滅菌が完璧に行われてなくても使用でき、ストライカー社の工場を私も見学に行きましたが、洗濯機のような機械でこのDVTコンプレッションスリーブを洗浄していました。

日本ではおそらく「正」の字を書いて行うかもしれませんが、何回再製造したかをしめす数字で記載しているような感じで、スライド上段の体内で使う再製造品に比べると、少し基準が緩いのかなと思いました。

1

2 3
PAGE TOP