セミナー・インタビュー

医療インバウンドのこれまで、これから(前編)

(前編:医療インバウンドとコロナ)

日程:7月31日(金)16時00分~
講師:アイテック株式会社 コンサルティング本部 副本部長 川崎 宣輝先生
会場:アイテック株式会社

ITEC病院運営研究会 代表 関 丈太郎(以下、関):昨年まで海外から日本を訪れた人は3,000万人を超え、オリンピック・パラリンピック開催が予定されていた本年(2020年)は4,000万人の目標が掲げられていました。

近年大きく成長してきなかで、「医療」を目的とした訪日客(以下、医療インバウンド)も一部で活況を呈するなど、医療機関にとっての新たな収益の可能性に、期待や課題も交え議論されてきました。

しかし、ご承知のとおり新型コロナウイルスの世界的な蔓延を境に、日本だけではないですが観光、そして医療インバウンドも大きく停滞の憂き目にあっています。 より良質な「医療」を目的として、自国では受けられないサービスや、より安心・安全を求めて国境を超える動きは、果たして新型コロナウイルスを契機に今後どう変わっていくでしょうか。この問いに対し、本分野のコンサルティングに取り組む川崎宣輝先生(アイテック株式会社)より、医療インバウンド全体のこれまでの動きから、ポスト・コロナを見据えた「これから」に向けた取組みをお話し頂きます。

医療インバウンドとコロナ

川崎:それではよろしくお願いします。先ほど触れられましたように、2018年までの訪日客数は3,000万人を超え、わずか5年で2倍以上に増加しました。内訳は中国、韓国、台湾、香港など、主にアジアの中でも日本と地理的に近く、アクセスのよい国や地域からの需要が旺盛でした。残念ながら、この数は新型コロナウイルスの影響でほぼゼロとなり、経済的にも相当な痛手を受けているのが現状です。

さて、そうした最中ですが、まずは「これまで」の状況をおさらいしたいと思います。

「これまで」の整理

2018年の「訪日外国人の消費動向調査」から日本での滞在中の行動をみると、圧倒的に「食」「自然観光」「繁華街散策」「ショッピング」が共通した目的として多いことがわかります。それら行動のなかで「治療・検診」はわずか0.9%でした。これを多いととるか、少ないととるか、ですが、ざっくりとした単純な掛け算推計で27万人(対3,000万人)となり、この数字自体は私としては「結構いるな」と捉えています。

特に、医療インバウンドを目的とした来日は中国が圧倒的に多いことが「医療滞在ビザ」の内訳でもわかります(全体の8割)。なお、医療滞在ビザの発給数は年間3,000件と大変少ないですが、このビザがなくても短期での治療や人間ドックの受診は可能ですので、実際と乖離があることは現場感覚としても、上記推計でも想像できます。短期での対応を望む需要が圧倒的であること、そして観光のついでにまずは日本の医師に相談したい、診てもらいたい、とするニーズが多いと推察されます。最近では在留外国人で医療にかかる人も多く、特徴としてはベトナムが増えている点が挙げられます。

ここで一つ付け加えておく必要がありますが、日本でのショッピングなど、観光自体が盛んであった背景に、欧米を含む外国人からすると日本は良質なものに囲まれていながら物価の「安い」国と見られています。これを意外に感じる人はまだ多いかもしれません。世界経済の拡大に対して、日本はデフレが長かったことや円安など様々要因ありますが、医療費も含めて日本は非常にコスパの良い国です。本来は日本の持続可能な社会保障のためにも、インバウンドでしっかり外貨を稼がないといけません。

続き (中編:これから、をにらみ)

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