セミナー・インタビュー

医療インバウンドのこれまで、これから(後編)

(後編:ポスト・コロナの医療インバウンドに向けて)

この背景に触れますと、昨年までの医療インバウンドの取組みで明らかとなった課題のなかには、正しい情報が上手く知られていないことに起因するトラブルが多くありました。

例えば中国での医療は、日本とは制度的にも文化的にも大きく違います。共産・社会主義系の国に共通する特徴ですが、医師の社会的な地位も日本とは逆です。恐らく、そうした中で多くはネット上の体験談や、噂も含む様々なソースの情報を得ながら来ていますが、根本の医療に対する国民の向き合い方や倫理観の違い、そして制度的な保険に対する捉え方があまり理解されずに来ています。その割になぜか日本の社会保障制度の抜け穴をよく知っていたりして、受入れる側も感情的には嫌だな、と思うことが多くあります。

せっかく高いお金を払ってでも日本で医療にかかりたい、という人たちですので、こうした違いがきちんと理解されたうえで日本の医療機関にかかり、観光とともに満足して貰い、また是非何かのときにその病院へかかりに戻ってくる。そうしたハッピーなサイクルを作るうえで、医療の文化面を含む総合的なガイドブック(中国では「指南本」)が必要と考え、実践に移しています。発刊の後でウェブサイトを通じた医療機関の紹介や医療インバウンド全体のボリュームを底上げできるマーケティングを行っていこうと思いますので、タイミングの問題で紹介できなくても、引き続き興味ある医療機関に広くお声がけしていきたいと思います。

指南本づくりは、中国上海の復旦大学と共同で進めていますが、今後世界的にワクチンや治療薬の開発目途が立っている(であろう!)来年2月頃、かつ中国の旧正月前を発刊のターゲットとしています。書籍ですのでタイミング的にはコロナの回復が後にずれてもその分しっかり読んでもらえるかな、と期待しています。また、その際に日本の医療を支える関連産業も紹介する予定です。たとえば、お薬などは元々有名ですが、日本の病院で使用される医療家具は、医師と患者が顔を見ながら話せるように机の形が工夫されています。あまりそうした気の利いた製品は海外の病院で見かけません。そうした産業としてのすそ野の広さも、日本の医療の魅力であることを色々な企業さんからコンテンツを頂きながら訴えていきたいと思います。ですので、皆さん広告費を宜しくお願いします!(笑)

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また、別の視点で、国内のコンサルティングにも活かしていこうと考えています。例えば、院内で流れる通常・緊急のアナウンスなどは日本語の分からない患者からすると何がアナウンスされているか不安になります。特に緊急時の想定もしながら多言語化して準備するなどが必要かもしれません。医療費の面もそうですが、医療インバウンドに取り組んでみたい、と思う医療機関に対して当社の様に海外の病院でもコンサルティングを行ってきた会社がその準備を支援する素地も今後あると思っています。

関:ありがとうございます。医療インバウンドは日本の病院でも色々と意見がありますが、診療報酬が全国一律で決まっているなか、都内の医療機関では特に家賃や人件費が他県より高く、元々利益幅の低い環境で経営を行っていると聞きます。そうした病院に対し、今後の付加価値獲得に向けた選択肢となるような市場づくりを通じて、全体を盛り上げていくことは大きな意義があると考えています。

コロナによって、観光産業は日本だけでなく世界でもかなりの痛手を負っていますが、その中で「医療」については別の需要と、それにフィットした開拓の仕方があるように思います。本セミナーで取り上げられた指南本や、問合せについては研究会ページにも掲載させて頂きますので、是非皆さんもご協力よろしくお願いし、今回のセミナーを終わります。 ありがとうございました。

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